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<新刊紹介> 富山城研究会『石垣から読み解く富山城』

 本会会員の古川知明氏・野垣好史と、富山市郷土博物館の萩原大輔氏による表題図書が刊行されました。

 約20年前に始まった富山城址公園整備に伴う石垣調査は、およそ3分の2の石垣についてレーザー測量が行われ、1石ごとに石質や刻印などが調べられました。また、解体修理に伴う悉皆的な石材調査や発掘調査は、石垣内部の状況や石割方法、墨書の内容などを詳らかにし、石垣に関する情報は飛躍的に増えました。

 こうした成果を余すところなく盛り込んだのが、本書です。
 石垣全体の歴史から、石材加工の石工道具といった細部にいたる内容まで、テーマ別に30の項目と、35の「豆知識」によって富山城石垣の全貌を明らかにします。 平易に解説されている一方、知る人ぞ知る玄人向けの内容もふんだんに盛り込まれ、読み応えのある一冊に仕上がっています。

 富山城石垣は、山奥にある城や埋もれてしまった城と違い、誰もが間近に400年前の実物を観察できる貴重な遺構です。 本書を手に散策すれば何倍も理解が深まるでしょう。 ぜひご一読ください。
  B5版 100頁 1300円+税 2022年7月7日発行 桂書房
                                             (野垣好史)
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<新刊紹介> 山口充・佐伯哲也編『北陸の名城を歩く-福井編-』

 本会会員である佐伯哲也氏が編者の一人を務めた表題図書が刊行されました。
 斯波・朝倉・一色氏らの群雄が割拠した福井県。その福井県の城から精選した名城59が紹介されています。
 冒頭では、佐伯氏が「越前・若狭の城郭戦国史」を執筆し、歴史概況と各城の位置づけをまとめています。
 最新の知見に基づく、豊富な図版とわかりやすい解説で、専門家から一般の城好きの方まで必読の書です。
 なお、本会会員が多数執筆している同シリーズの富山編も間もなく刊行予定です。
 乞うご期待!
A5版 258頁 2500円+税 2022年7月1日発行 吉川弘文館
(野垣好史)
佐伯さん紹介

<新刊紹介>佐伯哲也著『越前中世城郭図面集Ⅲー越前南部編-』

 本会会員である佐伯哲也⽒の城郭図⾯集シリーズの新刊が発売になりました。2011年のシリーズ第1冊から数えついに9冊目。
 ほぼ1年に1冊ずつ刊行されるという超人的なペースも、もはや当たり前に感じます。
 本冊は越前編の3冊目。
 富山ではお馴染み佐々成政の居城であった小丸城をはじめとする60の城郭と、越前編Ⅰ・Ⅱの補遺として7城郭が取り上げられています。 すべての城郭に緻密な縄張図が掲載され、文献や発掘成果も踏まえた詳しい解説が付されます。 また特別論⽂として「越前一向一揆の城郭について」が収録されています。

 次回10冊目は若狭編とのこと。佐伯氏の研究はまだまだ広がりを見せそうで楽しみです。
(A4版 190⾴ 3000円+税 2021年12⽉15⽇発⾏ 桂書房)
(野垣好史)
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(既刊)佐伯哲也⽒の城郭図⾯集シリーズ
1『越中中世城郭図⾯集Ⅰ』2011年
2『越中中世城郭図⾯集Ⅱ』2012年
3『越中中世城郭図⾯集Ⅲ』2013年
4『能登中世城郭図⾯集』2015年
5『加賀中世城郭図⾯集』2017年
6『⾶騨中世城郭図⾯集』2018年
7『越前中世城郭図⾯集Ⅰ』2019年
8『越前中世城郭図面集Ⅱ』2020年
9『越前中世城郭図面集Ⅲ』2021年 ←最新刊

<新刊紹介> 佐伯哲也著『朝倉氏の城郭と合戦 -図説日本の城郭シリーズ15-』

 本会会員の佐伯哲也氏が表題著書を上梓されました。「図説日本の城郭シリーズ15」として、朝倉氏の城郭に焦点を当てた一書です。
(なお、佐伯氏は同シリーズ5で「戦国の北陸動乱と城郭」も執筆されています。)
 本書の構成は次のとおりです。
   総 説 越前朝倉氏戦いの軌跡
   第1章 本拠・一乗谷と周辺の城郭
   第2章 朝倉一族と家臣の城郭
   第3章 朝倉・織田氏に翻弄された若狭国衆の城郭
   第4章 朝倉氏が国外遠征で築いた城郭
   第5章 織田軍との抗争と城郭
   第6章 越前一向一揆時代の城郭
   第7章 織豊政権時代の城郭
 総説では、朝倉氏の戦いに関する歴史経緯をひもといて、そのなかで関連城郭がどのような位置付けにあるかが解説されます。そして1~7章で個々の城郭の詳細が紹介されるという構成です。朝倉氏が築いた中世城館および一向一揆や織田軍との戦いの中で築かれた城郭から51城が取り上げられています。
 個々の城郭については、立地、城主・城歴、城の構造の詳しい記述とともに、城の現状や登城路・登城難易度にも触れられ、現地を訪れたいと思う城郭ファンに配慮されています。また、著者自身の手による縄張図と、多数掲載されている写真によっても理解を深めることができます(※ちなみに、城郭調査=縄張図作成を信条とする著者は、写真を撮影しないため、本書に掲載する写真撮影のために丸1年を費やしたとのこと)。巻末には、朝倉氏の城郭と合戦の略年表が付されています。
 佐伯氏の著作といえば、これまで8冊刊行されてきた中世城郭図面集シリーズがありますが、本書はビジュアルに富み、解説も詳細な内容を盛り込みつつ一般の方により読みやすい構成となっています。
 富山に住む著者が、遠く越前や近江の城郭ひとつひとつを丹念に調査されてきた労力と諸々の負担を想うと驚嘆するばかりです。ここに紹介させていただくことで、一人でも多くの方が目にされることを願います。
(A5版 310頁 2,800円+税 2021年1月8日発行 戎光祥出版)
(野垣好史)

佐伯さん

<新刊紹介> 佐伯哲也著『越前中世城郭図面集Ⅱ-越前中部編-』

本会会員である佐伯哲也⽒の城郭図⾯集シリーズの新刊です。2011年のシリーズ第1冊から数え8冊目となります。
今回は、有名な一乗谷の城郭をはじめ、53の城郭が取り上げられています。
緻密な縄張図とともに、文献や発掘成果も踏まえた詳しい解説が掲載されます。
特別論⽂として「一乗谷現存遺構の構築年代について」も収録されています。
また「あとがき」には、本書が、著者の途方もない労力と情熱のもとに成ったことが記されています。
多くの方が手に取って佐伯氏の研究に触れていただくよう、ここに紹介します。

(A4版 166⾴ 2500円+税 2020年8⽉1⽇発⾏ 桂書房)

◎(既刊)佐伯哲也⽒の城郭図⾯集シリーズ
1『越中中世城郭図⾯集Ⅰ』2011年
2『越中中世城郭図⾯集Ⅱ』2012年
3『越中中世城郭図⾯集Ⅲ』2013年
4『能登中世城郭図⾯集』2015年
5『加賀中世城郭図⾯集』2017年
6『⾶騨中世城郭図⾯集』2018年
7『越前中世城郭図⾯集Ⅰ』2019年
8『越前中世城郭図面集Ⅱ』2020年

(野垣好史)
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<新刊紹介>佐伯哲也著『越前中世城郭図面集Ⅰ-越前北部編-』

本会会員である佐伯哲也氏の城郭図面集シリーズの新刊です。2011年のシリーズ第1冊から数え7冊目となります。
著者は今回の地域で約300ヶ所を調査、そのうえで取捨選択し城郭と判定した51城を取り上げています。
緻密な縄張図、史料や発掘成果を加味した解説など、著者の調査研究成果が詳細に記されています。
巻末には、特別論文「朝倉氏城郭の馬出について」が収録されます。
ぜひご覧ください。
(A4版 144頁 2500円+税 2019年7月7日発行 桂書房)

〇(既刊)佐伯哲也氏の城郭図面集シリーズ
1『越中中世城郭図面集Ⅰ』2011年
2『越中中世城郭図面集Ⅱ』2012年
3『越中中世城郭図面集Ⅲ』2013年
4『能登中世城郭図面集』2015年
5『加賀中世城郭図面集』2017年
6『飛騨中世城郭図面集』2018年
7『越前中世城郭図面集Ⅰ』2019年
(野垣好史)
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<新刊紹介> 佐伯哲也著『飛騨中世城郭図面集』

 本会会員である佐伯哲也氏の城郭図面集シリーズの新刊が刊行されました。2011年のシリーズ第1冊から数えて6冊目となります。
 今冊は著者が「第二の故郷」と呼ぶ飛騨の城館です。飛騨全体で約800ヶ所を調査したという著者が、城館と判定した114城を取り上げています。 緻密な縄張図、史料や発掘成果を加味した詳細解説、大胆な新説など、著者の研究成果がふんだんに盛り込まれています。
 また、特別論文として高山市松倉城の石垣についての考察が加えられます。 研究者・埋文行政に関わる者・城郭愛好者等にとって、永く参照され続けられるであろう重要な基本文献といえます。多くの方が手に取られるよう紹介させて頂きます。
(A4版 304頁 5000円+税 2018年4月30日発行 桂書房)                              (野垣好史)

飛騨中世城郭図面集

プロフィール

富山考古学会

Author:富山考古学会
1949年5月20日に設立。会の目的は、おもに富山県の考古学調査と研究、考古資料をはじめとする文化財の保存と継承、そして新人の指導。学会誌『大境』と連絡紙を発行。シンポジウムなどの研究活動、遺跡整備事業などに貢献。2008年、文部科学大臣表彰を受章。2011年、日本学術会議協力学術研究団体に指定。
※写真は氷見市大境洞窟(国史跡) [氷見市立博物館蔵]

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