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射水市沖塚原東B遺跡、現地説明会の開催について

 沖塚原東B遺跡では、令和2年度に企業団地造成事業に先立つ試掘調査を実施した。試掘調査において井戸や区画溝を検出した範囲を対象として、令和3年10月現在、射水市教育委員会の監理の下、株式会社エイ・テックが受注し、本発掘調査を実施している。
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 発掘調査では、鎌倉時代後期(13世紀後半~14世紀前葉)を主体とする掘立柱建物、井戸、溝(区画溝)、自然流路、土坑を検出した。遺物は、縄文土器、弥生土器、土師器、珠洲、八尾、瀬戸美濃、青磁、白磁、木製品(呪符木簡、木札、漆器椀、漆器皿、箸、曲物、鞘、櫛、下駄、羽子板状木製品、板材など)、土錘、砥石、短刀、銅銭(貨泉、祥符通寳)、ザル、箕などが出土している。呪符木簡は2点出土している。貨泉の出土は県内2例目である。
 沖塚原東B遺跡では平成30年度にも調査が実施されており、方形区画による計画的な開発が実施されていることが判明した。当遺跡の存続時期は鎌倉時代後期に集約しており、築城期から鎌倉幕府滅亡時までの放生津城との関わりが想定できる。

 今年度の発掘調査の成果を公開するため、下記の日程で現地説明会を開催する。希望参加者は、新型コロナウィルス感染症対策のため、射水市生涯学習・スポーツ課へ事前申込が必要。

  日  時;令和3年10月24日(日)
       ①10;00~,②11:00~,③13:00~,④14:00~,⑤15:00~
       各時間先着20名、小雨決行。当日朝に、大雨・暴風警報の発令時は中止します。
  場  所;沖塚原東B遺跡発掘調査現場(射水市新斎場東隣接地内)
  その他 ・コロナウィルス感染対策のため、事前申込みが必要です。 【電話・メール】
       ・受付け時にはマスク着用を確認し、検温を行います。
       ・コロナウィルス感染状況によっては、開催中止となることがあります。中止の場合
        は、市ホームページにてお知らせします。
  申込先;生涯学習・スポーツ課 文化財係
       電話:0766-51-6637、E-mail:bunkazai@city.imizu.lg.jp
       HP:https://www.city.imizu.toyama.jp/event-topics/svEveDtl.aspx?servno=22034


【参考資料】
射水市長10月定例記者会見資料
北日本新聞;https://webun.jp/item/7797392
北陸中日新聞;https://www.chunichi.co.jp/article/346433
(田中 明、岡田一広)

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プロフィール

富山考古学会

Author:富山考古学会
1949年に設立。会の目的は、おもに富山県の考古学調査と研究、考古資料をはじめとする文化財の保存と継承、そして新人の指導。学会誌『大境』と連絡紙を発行。シンポジウムなどの研究活動、遺跡整備事業などに貢献。2008年、文部科学大臣表彰を受章。2011年、日本学術会議協力学術研究団体に指定。
※写真は氷見市大境洞窟(国史跡) [氷見市立博物館蔵]

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