平成26年度第1回例会を開催しました(企画委員会)

  7月27日(日)、富山市北代縄文広場縄文館にて平成26年度第1回例会を開催しました。北代縄文広場オープン15周年記念フェスティバル「北代縄文サミット」の一環として行われたミニ企画展「小竹貝塚の変遷」解説会と同時開催したもので、会員・一般合わせて約50名の参加がありました。

平成26年度第1回例会  例会の様子

 はじめに富山市教育委員会埋蔵文化財センター学芸員より小竹貝塚の概要説明及び展示の解説を受けて予備知識を得たうえで、「小竹貝塚の変遷」展の見学を行いました。 
今回の展示では、同センターによる2008年度の調査で出土した「1号人骨」(熟年~老年女性頭蓋骨)の実物や、日本海側最北域での出土事例となった紐列式木盾(弥生時代後期)など普段目にすることのできない貴重な品が展示され、参加者は興味深く見入っていました。
 続いて、堀内大介会員(同センター)より「小竹貝塚出土人骨の最新成果」と題したスライド発表が行われました。これは小竹貝塚出土人骨の分析を担当している溝口優司会員(国立科学博物館人類研究部名誉研究員)の最新の研究成果【溝口2014a・b】をわかりやすく紹介したもので、
①小竹貝塚のこれまでの調査で出土した人骨の最小個体数は100体であること
②小竹貝塚1号人骨と近隣諸地域集団との類縁関係を頭蓋計測値に基づいて分析した結果、縄文人の祖先には東南アジアからアジア大陸を北上して北海道経由で本州へ入った「北方系(北回り)」の集団と、東南アジアから日本列島を北上した「南方系(南回り)」の集団がいた可能性があること
③「日本人」のルーツ解明に向けた研究が新たなステージに進んだことなどが示されました。
 特に②については、小竹貝塚では北方系・南方系が混在することがすでに北陸新幹線建設に伴う発掘調査で大量出土した人骨群のDNA分析によって明らかになっていたところですが、この度の溝口氏の研究によってそれぞれの辿ってきたルートがより具体的に浮かび上がってきたということで、参加者の関心を大いに集めていました。
 もはや全国区となった小竹貝塚。今後のさらなる研究の進展に期待が膨らむともに、「小竹貝塚フィーバー」はまだまだ続く!とあらためて認識した一日となりました。
【参考文献】
溝口優司2014a「2 人骨発見小史」『小竹貝塚発掘調査報告 第三分冊 人骨分析編』(公財)富山県文化振興財団埋蔵文化財調査事務所
溝口優司2014b「小竹貝塚1号人骨と縄文時代中・後・晩期近隣諸地域集団との関係」『Anthropological Science (Japanese Series)』Vol.122(2014)No.1 日本人類学会

(企画委員長 三浦知徳)
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プロフィール

富山考古学会

Author:富山考古学会
1949年に設立。会の目的は、おもに富山県の考古学調査と研究、考古資料をはじめとする文化財の保存と継承、そして新人の指導。学会誌『大境』と連絡紙を発行。シンポジウムなどの研究活動、遺跡整備事業などに貢献。2008年、文部科学大臣表彰を受章。2011年、日本学術会議協力学術研究団体に指定。
※写真は氷見市大境洞窟(国史跡) [氷見市立博物館蔵]

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